ムービービーム 2
ミストメイン州の田舎町。激しい嵐が過ぎ去った翌朝、地元のスーパーに集まった住民を、今度は視界ゼロの霧が襲う。買い出しに来ていたデイヴィッド(トーマス・ジェーン)たちは、やがて霧のなかでうごめく恐ろしい「何か」に気づく…。傑作『ショーシャンクの空に』のスティーヴン・キング原作×フランク・ダラボン監督コンビ作品。近頃はやりのモンスター・パニック映画ではない。本当に怖いのは霧中の「何か」ではなく、「何か」に怯える人々の集団心理だっていう視点で描かれた深層心理スリラーだ。顔なじみの住民たちが、閉所での間断なき恐怖に苛まれ、「疑心暗鬼」という名の感染症に冒されていく。デイヴィッドを中心とした脱出しようぜ組と、ヒステリックな宗教オバハン(マーシャ・ゲイ・ハーデン)に先導された狂信的な生贄派とに勢力が二分して、一触即発の状況に陥る愚かさ。正しいと信じて起こした行動がありえない結末へと豹変するラスト15分。人間の胸中に潜む傲慢さや残酷さに打ちのめされる映画ファン必見の衝撃作。観終わって深く考えさせられるので、時間と気持ちに余裕のあるときに観たほうがええよ。
おすすめ度★★★★☆
クローバーフィールド/HAKAISHA『LOST』をプロデュースし、トム・クルーズの依頼で『M:i:III』を監督したJ・J・エイブラムス製作。「クローバーフィールド事件」の被害者が家庭用ビデオカメラで撮った映像が見つかったという設定がまず新しい。実際には業務用のHDハンディカメラで撮影されたそうだが、相当に画面が揺れるんで、映画館で観てたら酔ったかも。怪獣が突然、現われる。ずっと正体不明。でも、よく考えたらウルトラマンなんかでも、何かしらの理由があって現われる怪獣は少数派だったよな。J・J・エイブラムスは日本で昔の怪獣のフィギュアが売られてるのに感激し、アメリカでもそういうふうにリスペクトされる怪獣映画を作ろうとしてこれを製作したんだね。タランティーノが深作欣二監督作品に傾倒しているように、日本の怪獣映画に相当影響を受けているようだ。ウルトラマンがやって来たら面白かったのに。画面がずっと危機下にある人間の目線であること。観客の作品理解度を無視した作り。巨大な母体と母体からポトポト落ちて来ては人間を襲うクリーチャーたちのデザインと動き。それらが斬新で、わくわくしながら観ることができた。モンスター・パニック映画の新機軸だと思う。★★★★☆
地球外生命体捕獲『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』共同監督のひとりエドゥアルド・サンチェス作品。地球外生命体がもたらす恐怖を描いたSFホラー。地球外生命体に誘拐され、壮絶なリンチを受けて生き残ったものの、トラウマを抱えたまま大人になった男たちの復讐劇…。エイリアンをとっ捕まえる。このスリリングな期待感に突き動かされて借りて観てしまったが、また「ブレア・ウィッチ~」にだまされちまった!エイリアンはほとんど姿を見せないし、男たちの復讐の動機になっている少年時代のエライ体験は映像じゃなく会話で語られるし、場面はガレージから動かない密室劇つーかシチュエーション・ドラマだし。しかしである。ベタなタイトルといい、B級SFホラーとして観た場合、ツッコミどころには事欠かない。展開がショボイわりに、残虐シーンのエグさは強烈なんで、結局最後まで飽きずに観ることができちゃった。「内臓フェチ」には、キラームービーかもしれないぞう。★★☆☆☆
ヒートアイランド「ジェットコースター・ムービー」っていう謳い文句は看板倒れ。展開のテンポはじれったい。強盗+2つのヤクザ+南米マフィア+渋谷ギャング。この「五つ巴ストーリー」はめちゃくちゃ面白いんで、もったいないなあと思う。原作を忠実に再現するため、分かりやすくしたぶん、スリルが削がれてしまったようだ。『タイガー&ドラゴン』のオフビートに振るか、『GONIN』のハードボイルドに持っていくか。手はいろいろあったと思う。演出陣の力不足が目立つ映画。もっとワイルドに、もっとスタイリッシュに描いてほしかった。ギャングのリーダー・アキ役の城田優をはじめ肝心の若者たちの演技がつたなすぎる。ただ、伴都美子(Do As Infinity)のアネゴ的存在感は光ってた。それに比べ、豊原功補と近藤芳正の過剰な芝居、伊原剛志の渋い佇まいとか「俳優」たちの仕事は十分に楽しめた。特筆すべきはパパイヤ鈴木。そのハマりっぷりには笑った。同じタイプの映画で、クールに仕上げた見本として、岩井俊二監督の『フライド・ドラゴン・フィッシュ』がおすすめ。 ★★★☆☆
ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZORロシア映画を観たのはいつ以来だろう。『惑星キンザザ』かな。あれは旧ソ連時代だ。「マトリックスを超えた」が謳い文句になっているけど、ワケが分かんないところは確かに超えている。この映画には脚本があるのだろうか。低予算のほとんどを「ハリウッドに追いつけ」を合言葉にVFXに割いてしまって、ストーリー展開を面白くすることに注ぐルーブルの残高は限りなくゼロに近づいてしまったようだ。あ、映画の内容は、現代のモスクワを舞台に「光の勢力」と「闇の勢力」が覇権を争うという、異界の戦いを描いたダークファンタジー。ストーリーより作風を重要視してるとしか思えんのだが、アバンギャルドな作風で「スキャンダラス」「狂気」「耽美的」「変質的」と形容されたケン・ラッセルなどには足元にも及んでないっす。この映画を端的に形容するなら「退屈」。それがアナタ、国の興行記録をぬりかえ、3部作やけん、あと2作も作ろうとするんだから、ロシアっちゅう国は分からんなあ。★☆☆☆☆
by kzofigo | 2008-10-03 03:31 | ムービービーム























