おめでとう!イチロー
祝イチロー
8年連続200安打
達成!

あれは1996年の秋。風邪を引いて寝込んでいた俺は、夕方にさしかかる頃、14型テレビを横倒しにして、プロ野球の試合を見ていた。グリーンスタジアム神戸のオリックス戦。対戦相手がどこだったかは忘れた。同点で迎えた裏の攻撃。オリックスが得点を挙げれば、それと同時にリーグ優勝が決まる場面だった。
ランナーは一塁に大島。バッターはイチロー。きれいな流し打ちでとらえた打球はライナーでレフトの左に落ちた。レフトが打球の処理にもたつく。大島は俊足を飛ばして一気にホームへ。ホームイン。オリックス優勝。
そのときだ。イチローは二塁を回ったところで、外野スタンドに体を向けて、ぴょんぴょんと飛び上がった。まるで野球を始めたばかりの少年が初めてヒットを打ったみたいに。満面の笑みを浮かべ、体中で喜びを爆発させている。あんなに素直に感情を表現したイチローを、それ以降見たことがない。WBC優勝の瞬間でさえ、自分をコントロールしているように見えた。
あのとき以来、イチローは何かを封印しているのではないだろうか。
毎年200安打を達成することは、自分の一番の目標であるとともに「恐怖」だとも言っている。とくに170安打から190安打まで。20本のヒットを積み上げる間にのしかかるプレッシャーは「恐怖」だと表現している。
イチローはその「恐怖」と8年間、闘ってきた。そして打ち克ってきた。俺はこの事実に対して、心底、敬意を表する。野茂英雄にも同じことが言えるが、イチローと同時代に生き、そのプレーを目にすることのできる幸運に、ただただ感謝したい。
イチローはヒットをあと8本打てば、メジャー通算安打が1800本になる。メジャー通算3000本まで残り1200本。今年35歳を迎えるイチローが40歳までの6年間、200本のヒットを打ち続ければ到達する数字だ。
夢のような話だとも思うし、いっぽうでイチローなら容易くクリアしてくれそうな気もする。故障さえなければ。そう、イチローの凄さは故障をしないこと。パイレーツでメジャー昇格を果たした桑田真澄がマリナーズとの試合前にイチローに聞いたのもそのことだった。「どうすれば君みたいに故障しなくてすむの?」
イチローが大リーガーになった2001年、マリナーズは116勝してプレイオフに進出した。しかし、ヤンキースの壁を突破できなかった。翌2002年の新庄剛志(ジャイアンツ)から、2003年・松井秀喜(ヤンキース)、2004年・田口壮(カージナルス)、2005年・井口資仁(ホワイトソックス)、2006年・田口壮(カージナルス)、2007年・松井稼頭央(ロッキーズ)と松坂大輔・岡島秀樹(レッドソックス)まで、日本人選手が毎年ワールドシリーズに出場している。
今年も岩村明憲(レイズ)、福留孝介(カブス)、黒田博樹・斎藤隆(ドジャーズ)、田口・井口(フィリーズ)、松坂・岡島(Rソックス)に出場のチャンスがある。MLBで最も“個人的に”成功しているイチローがワールドシリーズに出られないでいる。なんと皮肉なことか。
ワールドシリーズ第7戦。2死二塁。あとひとつアウトを取れば、イチローのいるチームがシリーズを制す。鋭い打球音とともにラインドライブがライトを守るイチローを襲う。ワンバウンドで打球を捕えると、素早いモーションでバックホーム。レーザービームだ。
ホーム上でランナーとキャッチャーが交錯する。一瞬の間があって主審のコールは「OUT!」。ダッグアウトを飛び出して、いっせいにマウンド付近へ駆け寄る選手たち。チームメイトの歓喜の輪に向かって走るイチロー。
そのとき、イチローは封印を解いてくれるだろうか。
●イチロー200安打への道
今日のイチロー
対ロイヤルズ戦(先発メッシュ)
3打数3安打1得点1四球1盗塁
151試合で/200安打(リーグ2位)
※1位ペドロイアまであと3本
打率.313(6位タイ)
96得点(8位タイ)
43盗塁(2位)
メジャー通算1800安打まで残り11試合で8安打
8年連続200安打
達成!

あれは1996年の秋。風邪を引いて寝込んでいた俺は、夕方にさしかかる頃、14型テレビを横倒しにして、プロ野球の試合を見ていた。グリーンスタジアム神戸のオリックス戦。対戦相手がどこだったかは忘れた。同点で迎えた裏の攻撃。オリックスが得点を挙げれば、それと同時にリーグ優勝が決まる場面だった。
ランナーは一塁に大島。バッターはイチロー。きれいな流し打ちでとらえた打球はライナーでレフトの左に落ちた。レフトが打球の処理にもたつく。大島は俊足を飛ばして一気にホームへ。ホームイン。オリックス優勝。
そのときだ。イチローは二塁を回ったところで、外野スタンドに体を向けて、ぴょんぴょんと飛び上がった。まるで野球を始めたばかりの少年が初めてヒットを打ったみたいに。満面の笑みを浮かべ、体中で喜びを爆発させている。あんなに素直に感情を表現したイチローを、それ以降見たことがない。WBC優勝の瞬間でさえ、自分をコントロールしているように見えた。
あのとき以来、イチローは何かを封印しているのではないだろうか。
毎年200安打を達成することは、自分の一番の目標であるとともに「恐怖」だとも言っている。とくに170安打から190安打まで。20本のヒットを積み上げる間にのしかかるプレッシャーは「恐怖」だと表現している。
イチローはその「恐怖」と8年間、闘ってきた。そして打ち克ってきた。俺はこの事実に対して、心底、敬意を表する。野茂英雄にも同じことが言えるが、イチローと同時代に生き、そのプレーを目にすることのできる幸運に、ただただ感謝したい。
イチローはヒットをあと8本打てば、メジャー通算安打が1800本になる。メジャー通算3000本まで残り1200本。今年35歳を迎えるイチローが40歳までの6年間、200本のヒットを打ち続ければ到達する数字だ。
夢のような話だとも思うし、いっぽうでイチローなら容易くクリアしてくれそうな気もする。故障さえなければ。そう、イチローの凄さは故障をしないこと。パイレーツでメジャー昇格を果たした桑田真澄がマリナーズとの試合前にイチローに聞いたのもそのことだった。「どうすれば君みたいに故障しなくてすむの?」
イチローが大リーガーになった2001年、マリナーズは116勝してプレイオフに進出した。しかし、ヤンキースの壁を突破できなかった。翌2002年の新庄剛志(ジャイアンツ)から、2003年・松井秀喜(ヤンキース)、2004年・田口壮(カージナルス)、2005年・井口資仁(ホワイトソックス)、2006年・田口壮(カージナルス)、2007年・松井稼頭央(ロッキーズ)と松坂大輔・岡島秀樹(レッドソックス)まで、日本人選手が毎年ワールドシリーズに出場している。
今年も岩村明憲(レイズ)、福留孝介(カブス)、黒田博樹・斎藤隆(ドジャーズ)、田口・井口(フィリーズ)、松坂・岡島(Rソックス)に出場のチャンスがある。MLBで最も“個人的に”成功しているイチローがワールドシリーズに出られないでいる。なんと皮肉なことか。
ワールドシリーズ第7戦。2死二塁。あとひとつアウトを取れば、イチローのいるチームがシリーズを制す。鋭い打球音とともにラインドライブがライトを守るイチローを襲う。ワンバウンドで打球を捕えると、素早いモーションでバックホーム。レーザービームだ。
ホーム上でランナーとキャッチャーが交錯する。一瞬の間があって主審のコールは「OUT!」。ダッグアウトを飛び出して、いっせいにマウンド付近へ駆け寄る選手たち。チームメイトの歓喜の輪に向かって走るイチロー。
そのとき、イチローは封印を解いてくれるだろうか。
●イチロー200安打への道
今日のイチロー対ロイヤルズ戦(先発メッシュ)
3打数3安打1得点1四球1盗塁
151試合で/200安打(リーグ2位)
※1位ペドロイアまであと3本
打率.313(6位タイ)
96得点(8位タイ)
43盗塁(2位)
メジャー通算1800安打まで残り11試合で8安打
by kzofigo | 2008-09-18 11:38 | 私をメジャーに連れてって























