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井上陽水 『弾き語りパッション』     

「井上陽水コンサート2007」で好評だった「弾き語りコーナー」からのベストテイクを収録した『弾き語りパッション』。当初、「井上陽水コンサート2008」の各会場で、先行数量限定発売のインディーズ盤として販売されていたらしい。が、開場と同時に売り切れ、問い合わせが連日殺到しちゃったそうだ。で、手に入れられなかったファンのリクエストに答える形で急きょメジャー発売されました。


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1972年に『夢の中へ』でブレイク後、井上陽水は1973年7月に伝説的なアルバムを発表していますね。ええ、『陽水ライヴ もどり道』ですよ。ライヴLPとしては今でもセールスでオリコン歴代1位の名盤。『弾き語りパッション』は、2007年ツアーから初期の楽曲を中心に収録された弾き語りベストアルバム。だから、2008年版『もどり道』的な1枚ですね。

ただし歌っているのは『もどり道』から35年の時を経て、今年還暦の井上陽水。1970年代前半までの陽水が書く曲は、若者特有の繊細かつエキセントリックなものが多い。その曲を、高く美しい声を絞り出し、時には叫ぶように歌っていました。しかし、70年代後半から曲調も歌唱法もソフィストケイトされて、いわゆるニューミュージックと呼ばれるカテゴリーに属していきますよね。

このアルバムを聴いて驚いたのは、洗練された陽水ではなく、フォーク時代の昔のままの歌い方で、無骨ともいえる生ギターだけの伴奏で歌っていること。還暦を迎えても衰えない美声で70年代前半の荒削りなセンチメンタリズムを楽しめる。これは俺ら世代の特権かな。それと、ほぼ全曲を歌詞カードなしで歌える。中学生の頃、陽水のレコードなんて1枚も持っていなかったのに。当時、歌の送り手と受け手の関係がそれだけ濃かったっていうことでしょう。

ボーナス・トラックとしてアンドレ・カンドレ時代の『カンドレ・マンドレ』が収録されています。録音会場が倉敷市民会館。本当にボーナスのような1曲。『リバーサイド・ホテル』も『少年時代』もいいけれど、やっぱり陽水は『傘がない』ですね。


●収録曲

1. 闇夜の国から
2. 東へ西へ
3. 断絶
4. 能古島の片想い
5. かんかん照り
6. なぜか上海
7. 愛は君
8. 白いカーネーション
9. ゼンマイじかけのカブト虫
10. 限りない欲望
11. いつのまにか少女は
12. 心もよう
13. 夏まつり
14. 人生が二度あれば
15. 傘がない
16. カンドレ・マンドレ (bonus track)


『なぜか上海』を選ぶのなら、コレも入れてほしかったなあ。

青空、ひとりきり

by kzofigo | 2008-07-25 15:58 | ミュージック・ブック