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日本サッカーは生き返ったのか     

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日テレが日本代表のw杯予選をオンエアする違和感をに比べ、日本代表が見せたサッカーは現在の選手で考えうるパフォーマンスの理想像に、かなりフィットしてきたんじゃないだろうか。ゲスト中田英寿も手ごたえを感じていたようだし。

まず、選手のメンタルに今までにないほどの覇気がみなぎっていた。技術とスピードに長けた日本に気持ちの強さが加わること。長~い期間にわたる命題に、やっと光が射してきた。オマーン戦の勝因をひとことで言えば「気持ち勝ち」でしょ。

次に、俊輔のチームになったこと。欧州CLでマンUやバルサと対峙したオーラが、彼の能力にハクをつけるかたちで、やっと降臨してきた。俊輔がここのところくり返し発言してる「俺がボールを持ったときの(他の選手の)動き出し」が幾度か見られるようになり、それが得点に結びついている。セルティックでプレーしてるときと同じフィーリングになればしめたものだが。

遠藤をボランチに入れた岡田采配も大きい。鈴木+中村憲剛 → 遠藤+長谷部、このダブルボランチのチェンジは「点を取りにいくぞー!」っていう意志のあらわれだ。遠藤が中盤の底で全体を統率し、俊輔が前線のチャンスメーカーになる。まるで遠藤がピルロ、俊輔がトッティのイタリア代表を見てるようだった(ウソ)。ただ、長谷部がちょっと空回りしてたなあ。

キリンカップのときからから守備はよくがんばってる。ときどき不注意なバックパスにドキッとするが。これだけバックと中盤がうまく機能すれば、もうFWしかないでしょ。永遠の課題。俊輔からのロングパスを落とすのは闘莉王じゃなくて(出場してなかったが)巻の役目だろ。ああ、巻がクラウチで大久保がルーニーだったらなあって思っちゃいけないのね。はい。

このサッカーがアウェイでも続けられればアジアでは負けない気がしてきた。岡田ジャパンになって初めて次の試合が楽しみに思える。しかしドローか負けなら次は自分が指揮を執るつもりだったんだな、川淵C。あれはジョークか?

日本サッカーが生き返ったのかどうかは分からない。だって、まだw杯の3次予選なんだも~ん。最終予選、本選・・・・何が起こるか分からない。だからサッカーは面白い。

スペースがあれば人が入りこみ、そこにパスを通して、人数をかけて、チームとして攻撃をしかける。しかもその動きは速く、鋭く、徹底している。人もボールも動くダイナミックでエンタテインメント性も高い攻撃サッカー。

これができれば日本のサッカーは生き返ったというより、生まれてきたと言えるんじゃないかな。日本サッカーの誕生。その途上を同時体験できる幸せ。

                    ◆

週末に大阪へ移動。日曜日は試合。終えて夜行列車で帰京。東京着は月曜午前5時。駅で朝食。そのまま出社、仕事・・・40年あまり前、サッカー日本リーグ創設当時の生活を、古河電工の選手兼監督だった長沼健さんはインタビューで答えていた。始業の1時間前に会社の机に向かって「絶対に眠るなよ」と皆で声をかけあったらしい。今のサッカー人気にこつこつと種をまいた人ですね。

長沼健氏のご冥福を心からお祈りいたします。

by kzofigo | 2008-06-03 14:20 | スポーツ旬報