10/6 親子水入らず

9月と10月にそれぞれひとつずつ年を取ったのを祝い、

両親が老人ホームに入居して初めて揃って外食をした。

母が車椅子に乗り、父がそれを押し車代わりにし、

タイムズカーシェアのスズキ・ソリオに乗って、

創作料理屋っぽい小洒落たカフェ風うどん店へ。

小鉢3種とデザートが付いたセットメニューが基本。

父は大きつねうどんセット、母は天ぷらうどんセット、僕は奇を衒って

カレーうどんをジャガイモの白いムースで包んだホワイトカレーセットを注文。

ボリュームたっぷりのうどんにサイドメニューが付いて計2300円は安いと思う。

お味のほうは3人の（とくに両親の）表情から察してほしい。

母は気分がハイで饒舌だった。

そんな時の母は思ったことをズバズバ言うし、

妄想を次々とふくらませるので、話していて実に楽しい。

「あれじゃったら、麺を買うて来て、自分で作ったほうが、美味しかったな」

「自分で作るん？」

「そうじゃ。この前もな、おはぎ作ったんじゃが」

「どんなん？」

「中が餡子で、ご飯で包んで、きな粉をまぶしたやつじゃが」

「ええなあ。今度作ったら教えてー」

「電話するわ。もっと足腰鍛えてな、押し車押してな、買い物行けるようにならんとな」

「リハビリじゃな」

「そうじゃ。頑張らんとな」

老人ホームに入ってからの両親を見ていると、

本当にそうなりそうで、胸が火照る。