8/15 エコー 2017
徳島の祖父はインパールで散ったという話を子どものころ父から聞いた。
まだ十三歳にすぎなかった父から父親を奪った戦争が憎い。
父をいまも悲しませつづけている戦争が心から憎い。
直島の祖母が死んだときエコーを三箱買って棺桶に入れた。
好きだったエコーのけむりと一緒に祖母が空にのぼり
水蒸気に混ざって雨となり海に降り注いでほしかった。
瀬戸内をすすむ船の汽笛を聞くと亡くなった直島の人たちを思い出す。
いつかビルマのジャングルに行きたい。
祖父が生きて死んだ証をたどってみたい。
密林から聞こえてくる祖父のいのちのこだまに耳をすましてみたいと思う。
by kzofigo | 2017-08-15 22:08 | 家族の友