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9/27 異才監督の異作品

ドライヴ


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いいねえ。近作をめったにほめない小林信彦氏が週刊文春で「これはいい」と書いていたとおり。
男どもを惹きつけるのはこの映画が西部劇だからだね。アメ車に乗ったシェーン。

昼はカースタントで夜は強盗の逃がし屋。やばくなると町を出て行く主人公の生き方は男の憧れ。
『わたしを離さないで』のキャリー・マリガンは男のナイトなハートに火をつける。子役もよかった。


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もうひとつ、この映画は『タクシー・ドライバー』を強烈に想起する。
『ミーン・ストリート』を撮ってた頃のスコセッシのようでもある。とにかく無駄がない。

オートマでサスがふわふわで道がだだっ広いアメ車のチェイスは
イマイチ萌えないんだけど、スポーツカーに乗り換えてからがナイスだった。

ラストで手負いのライアン・ゴズリングが目を開いたまま微動だにしないアップの長回しには、イエーイ!
石井隆『GONIN』のエンドロールシーンのモッくんのようにクール。

フィルム・ノワールのような寡黙さと張り詰めたバイオレンスが一体となった、
『レオン』『コラテラル』と3本立てで観たい映画。

★★★★★





ヴァルハラ・ライジング


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上記のB級魂炸裂のA級バイオレンス映画『ドライヴ』を撮ったデンマークが生んだ偉才

ニコラス・ウィンディング・レフン監督の前作『ヴァルハラ・ライジング』を観た。

哲学的で観念的で物語はよくわからなかったが、主人公ワンアイ(独眼)の圧倒的な存在感、

北欧の生き物を拒絶するような自然、『フィッツカラルド』のベルナー・ヘルツォークを

思わせるタッチとか、なんかものすごいモンを観てるなあという充実感に満たされ、

画面から目が離せなかった。この監督、要注意だね。





★★★★★

by kzofigo | 2012-09-27 13:43 | ムービービーム