談文一致
【ブックレビュー】
遺稿 立川談志/著 山藤章二/絵
2011年11月、喉頭ガンにより75歳で他界した「家元」こと立川談志。
彼は、同年3月にガン治療のため活動休止した後も、『週刊現代』に連載のコラムだけは、
本人の希望で唯一の例外として継続した。
本書は、そのコラムのなかから47のお題を抜粋し、再構成したものだ。
病床にありながら執念で書き続け、世間を喝破した、まさに家元最期の放談である。
やはり、談志はただ者ではない。

相撲を活気づけるアイデア満載の「角力」。
議員時代の裏話に驚かされる「小沢一郎」や「浜幸、健在なり」。
対外関係を軽くとっちめる「基地問題」や「北方領土を返せ」。
人格の尺度は出せるか否かだという「ボコチン」や「噺家の出囃子と枕」といった芸談の数々。
さらに、佐藤栄作や石原慎太郎、手塚治虫、三橋美智也、小松左京、ホーキング青山らとの交遊話など、
高座で呼びものだった枕の時事放談がよみがえったようだ。
「言文一致」ならぬ「談文一致」と呼びたくなる文章からは、しゃべれなくなってしまった家元の声がする。
世間一般の予定調和的な常識や言論に、独自の視点で直言し、異を唱えるあの肉声が聴こえてくる。
それにしても家元の記憶力と妄想力にはびっくり仰天だ。興が乗ると筆が止まらない。
話がたびたび横道にそれるのだが、その脱線ぶりがまた愉快。
さすが、談志は死んでも面白い。
◆講談社 1500円
遺稿 立川談志/著 山藤章二/絵
2011年11月、喉頭ガンにより75歳で他界した「家元」こと立川談志。
彼は、同年3月にガン治療のため活動休止した後も、『週刊現代』に連載のコラムだけは、
本人の希望で唯一の例外として継続した。
本書は、そのコラムのなかから47のお題を抜粋し、再構成したものだ。
病床にありながら執念で書き続け、世間を喝破した、まさに家元最期の放談である。
やはり、談志はただ者ではない。

相撲を活気づけるアイデア満載の「角力」。
議員時代の裏話に驚かされる「小沢一郎」や「浜幸、健在なり」。
対外関係を軽くとっちめる「基地問題」や「北方領土を返せ」。
人格の尺度は出せるか否かだという「ボコチン」や「噺家の出囃子と枕」といった芸談の数々。
さらに、佐藤栄作や石原慎太郎、手塚治虫、三橋美智也、小松左京、ホーキング青山らとの交遊話など、
高座で呼びものだった枕の時事放談がよみがえったようだ。
「言文一致」ならぬ「談文一致」と呼びたくなる文章からは、しゃべれなくなってしまった家元の声がする。
世間一般の予定調和的な常識や言論に、独自の視点で直言し、異を唱えるあの肉声が聴こえてくる。
それにしても家元の記憶力と妄想力にはびっくり仰天だ。興が乗ると筆が止まらない。
話がたびたび横道にそれるのだが、その脱線ぶりがまた愉快。
さすが、談志は死んでも面白い。
◆講談社 1500円
by kzofigo | 2012-05-29 01:30 | ミュージック・ブック























