BLOWN APART(打ちのめされる)

ロンドンのイーストエンドで、「若い母親」(ミシェル・ウィリアムズ)は警察の爆弾処理班として働く夫と4歳の息子と暮らしていた。夫は昼夜関係なく危険な任務に呼び出され、つねに緊張状態にあり、彼女には「愛する坊や」がすべてだった。ある夜、夫の任務中、孤独に耐えられなくなった彼女は、パブへ向かう。そこで知り合った新聞記者ジャスパー(ユアン・マクレガー)と、欲望のまま関係を持ってしまう。メーデーの日、夫と坊やが【アーセナルvsチェルシー】のロンドン・ダービー観戦に出かけた後、彼女がジャスパーとの情事にふけっていた、まさにそのとき…。
(2011年1月29日公開/英国映画/シャロン・マグアイア監督) Watching Day 9/1
世界的ベストセラー『息子を奪ったあなたへ』を、デビュー作『ブリジット・ジョーンズの日記』をヒットさせたシャロン・マグアイアが脚本と監督を手がけ、ジャンルは違うけれども、再び等身大の女性の生きざまに迫る一作。浮気相手との情事の最中に、夫と息子がサッカー場の自爆テロに巻き込まれ、絶望の淵に叩き落された若い母親の喪失感と自責の念に苛まれながらも何とか立ち直っていく姿を描く。

わが子への深い愛と身を切るような哀しみを体現する。そんな難しい役どころに挑んでいる、『シャッターアイランド』のミシェル・ウィリアムズがセクシーな魅力に満ちていて惹かれた。あくまでもイメージだけど、スカーレット・ヨハンソンとナオミ・ワッツを和えて、かきあげ2つに揚げたようにおいしそう。この映画は彼女さえ観ていればOK。
だってね、監督自らが書いた脚本は完全に女性目線だし、予告編で謳われている自爆テロの「驚愕の事実」は全然、驚愕じゃない。彼女を心配するそぶりで言い寄る夫の上司やテロ犯の妻やジャスパーから事件の真相が明らかになるけど、それが究明されることはないだもん。
面白かったのは、主人公一家が住むのは低所得層の団地でみんなアーセナル・ファン。道を挟んで立ち並ぶ高級アパートの住人たち、全国紙の新聞記者ジャスパーらはチェルシー・ファンと、フットボールを人物設定に上手く取り込んでいること。ジャスパーが乗っている車がジャガー(たぶんXK)で萌えた。
▼たぶんこれ。ジャガーXK

「若い母親」と「愛する息子」には、なぜか名前が与えられていない。物語や心情は、母親がオサマ・ビンラディン宛てに送る手紙のナレーションによって語られる。実際のセリフは断片的な詩を聞いているようだ。サスペンス・ドラマとして事件が克明に描かれ、真実が暴かれることを期待すると、大きな肩すかしを食らうだろう。ただし、命によって心が壊れた若い母親が命によって救われる、人間再生劇として観たとき、少なからず沁みるものがある。
観客の気持ちを満たすことを度外視した女性監督の利己的な脚本によるドラマなのに、何か心の琴線に触れるものがある。ひとつは、ミシェル・ウィリアムズの存在であり、もうひとつはエンドロールが流れてわかった。音楽を担当しているスタッフのなかに「作曲・指揮、梅林茂」の名前があった。これだ。

ニューウェーブ・ロックバンド「EX(エックス)」のリーダーが、いまや世界的映画音楽の作曲家として、約70本の作品を手がけている。『それから』をはじめ森田芳光、『トカレフ』など阪本順治とのタッグが多いけれど、ハイライトは2004年の『LOVERS』、2009年の『シングルマン』だろう。本作のエンディングも彼だろうが秀逸だ。わがチョン・ジヒョン主演の『デイジー』(2006年)を担当してくれてありがとう。
おすすめ度★★★☆☆
●イチロー11年連続200安打への道●




今日のイチロー
対エンゼルス戦
4打数0安打
135試合で/154安打(リーグ9位タイ)
打率.273(37位)
33盗塁(5位タイ)
69得点(24位タイ)
565打数(2位)
200安打まで残り27試合で46安打
by kzofigo | 2011-09-01 16:24 | ムービービーム























