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人間は考えるグワシである

                        グワシ!
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岡田准一がNavigatorを務める、
日曜深夜(24:00~25:00)のトーク番組J-WAVE【Growing Reed】。

この番組、岡田准一が得意な分野のゲストの場合は当然、トークが白熱するが、
准一にとって馴染みのない分野、未知の分野のときは、
彼が投げかける質問に対してゲストが丁寧にレクチャーする形になり、
そこから准一はさらに疑問をぶつける。准一の知的好奇心はたいしたたまげた。


               ▼ラスカル? 助かる? ちゃうちゃう!
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昨夜のゲストは、2011年、戦後初となる5回連続直木賞候補を経て、
『月と蟹』で第144回直木賞を受賞した作家、道尾秀介(1975年5月19日生まれ)。

テーマは、「直木賞作家はどんな日々を送っているんですか?」

「文章を推敲するとき、原稿をプリントアウトして、直しを書き込むんですよ。“紙”を媒体とした執筆スタイルなので、電子書籍ではあまり読んでほしくないなあ」

「『寺内貫太郎一家』が面白かったですね。これもドラマが有名ですが、ドラマは久世光彦さんの演出の力でまた別の作品となっていて、僕はどちらも好きです。久世さんは、一番好きな作家ですね」

「映像の情報伝達力はすごい。映画化されるのを前提に書いている人もいるけど、逆に文字でなければ表現し得ないような、絶対に映画化できない作品にしようと思いながら書いているところがあります」

「無数の小説が出版されているなかで、候補作に選ばれるのは5作品かせいぜい6作品。それだけで、もう十分ですよ」

「僕は、読者は僕自身しか想定していないんです。自分が自分の本を読んだ時に面白いかどうかしか考えていない」

「美しいと感じるのは、日本語。『蝶が止まった』という文章があるとするでしょう。これが、『蝶が羽根を休めた』になると、羽根の色や模様まで想像できるじゃないですか」

「PCに向かってキーボードを打つこと自体は面倒くさいんですけど、書いたものを読み直すのが何より楽しみなんで。ほんと、お金貰わなくても書きますよ」

「興味があるのは、人間。相手がどんな人でも、その人と飲みながら話をするのが無性に面白いですね」


道尾秀介はあいまいな答えをしない。どんな質問にも具体的で明確な言葉が返ってくる。
上のような発言が興味深かった。


                     ▼車道? ちゃうちゃう!
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「人間は、死んだらどうなるの?」「いなくなるのよ」「いなくなって、どうなるの?」「いなくなって、それだけなの」―。その会話から3年後、鳳介の母はこの世を去った。父の洋一郎と2人だけの暮らしが始まって数日後、幼馴染みの亜紀の母親が自殺を遂げる。夫の職場である医科大学の研究棟の屋上から飛び降りたのだ。そして亜紀が交通事故に遭い、洋一郎までもが…。父とのささやかな幸せを願う小学5年生の少年が、苦悩の果てにたどり着いた真実とは?


◎参考までに過去5回のゲスト

2011/6/26 編集者/映画評論家・清水節(たかし) 「映画評論って今どうなっていますか?」
「評論家に対するある種の敵対心を感じさせる視線が何度も突き刺さった」

2011/6/19 作詞家・松本隆 「歌の言葉の力を教えてください」
「先月末、J-WAVEの岡田君の番組にゲストでよばれた。頭の回転が速い好青年という印象」

2011/6/12 建築家・谷尻誠 「今、建築が目指すべきものは何ですか?」
「空気について、いろいろ考えます。良い空気、作らなければです」

2011/6/5 照明デザイナー・岡安泉 「今、照明デザイナーにできることって何ですか?」
「岡田准一さんはステキでした。それに比べてこの俺は・・・ハートに火を、でなくて顔から火です」

2011/5/29 国立国会図書館長・長尾真 「国会図書館って何ですか?」
「大規模ディジタル化作業は順調に進んでおり、今年中には部分的に公開できるようになるでしょう」

by kzofigo | 2011-07-11 13:00 | ガッツ・エンタテインメント