たとえ世界が終わっても
このDVDを観よ!
たとえ世界が終わっても
(2007年8月25日公開/日本映画/野口照夫監督)
このDVDの一番の売りはレンタルがセルとまったく同じ内容になっていること。
コメンタリー映像やメイキング、インタビュー、未公開シーンなど特典映像がレンタルでも観られるのだ。
ものすごく得した気分になれる。

医者に余命数年と宣告された真奈美(芦名星)は、自殺サイトのメンバーと集団自殺に参加する。しかし、計画は失敗に終わり、1人で死ぬことを決めた彼女に自殺サイトの管理人・妙田(大森南朋)が、「あなたに助けてもらいたい人がいる」と囁き、妙田が管理するアパートの住人・長田(安田顕)と結婚すれば、苦しまずに死ねる薬をあげると言い残して去っていく…。
短編映画『演じ屋』シリーズやテレビドラマ『駄目ナリ!』で、若いファンを獲得した野口照夫の長編映画デビュー作。この「時をめぐる3部作」と題する連作の第1作で描かれるのは、生と死をめぐるスピリチュアルなファンタジー。野口監督自らが手がけ、あたためてきた脚本が細部にわたりよく練られていて素晴らしく、映画も小粒ながら人を思いやる気持ちの機微を繊細に描いた秀作に仕上がっている。

主人公の真奈美を演じるのは、日・伊・加合作映画『SILK』や『七瀬ふたたび』『ジュテーム〜わたしはけもの』『かずら』『KING GAME』と、この後、続々とヒロインに抜擢される芦名星。この人は長い黒髪が印象的な、佇まいが美しい人なのだが、僕にはどーしても「インパラ」のイメージがある。
↓ ↓ ↓

この作品では、芦名星はまだ新人女優だ。仕事への「慣れ」など関係なく役に向き合っている真実味がヒシヒシと伝わってきて、好印象。ヒロインだけどセリフが少なく、表情や姿の芝居が多いので、彼女の魅力が十二分に生かされている。起用した監督のねらいズバリである。
とにかく超低予算で、2週間で撮り上げたそうだ。短期間だからスタッフはほとんど寝てないし、主役の芦名星も寝ていない。そのやつれていく様子がストーリーと符合しているから切ない。TEAM NACSの安田顕も大泉洋とはまた違った個性で長田という人間を精一杯に演じている。この映画では、中堅俳優ながら大物扱いの大森南朋が好き勝手やっている。管理人の妙田がまたそういう役だからいいのだ。

大森南朋のちょっと斜に構えた芝居は苦手だが、この映画では彼のコミカルな部分全開で好感が持てる。真奈美と長田が、長田の長野の実家で、両親(平泉成、白川和子)と一晩を過ごす場面はホントによくてジンワリとする。真奈美が長田や彼の両親、それから妙田と出会い、時間をともにすることで変わっていく過程は、哀しいながらも深い幸福感で満たされる。
監督と芦名星、大森南朋によるコメンタリー映像がまたいい。キャストも含め野口組がひとつのチームであることがよくわかる。監督は芦名星の表情を称え、芦名星は大森南朋の演技の引き出しの多さに舌を巻き、大森南朋は平泉成のアドリブに度肝を抜かれ、平泉成は「白川和子の演技は完璧だ」とくり返す。

感涙度は相当高いので、要注意。
おすすめ度★★★★☆
たとえ世界が終わっても
(2007年8月25日公開/日本映画/野口照夫監督)
このDVDの一番の売りはレンタルがセルとまったく同じ内容になっていること。
コメンタリー映像やメイキング、インタビュー、未公開シーンなど特典映像がレンタルでも観られるのだ。
ものすごく得した気分になれる。

医者に余命数年と宣告された真奈美(芦名星)は、自殺サイトのメンバーと集団自殺に参加する。しかし、計画は失敗に終わり、1人で死ぬことを決めた彼女に自殺サイトの管理人・妙田(大森南朋)が、「あなたに助けてもらいたい人がいる」と囁き、妙田が管理するアパートの住人・長田(安田顕)と結婚すれば、苦しまずに死ねる薬をあげると言い残して去っていく…。
短編映画『演じ屋』シリーズやテレビドラマ『駄目ナリ!』で、若いファンを獲得した野口照夫の長編映画デビュー作。この「時をめぐる3部作」と題する連作の第1作で描かれるのは、生と死をめぐるスピリチュアルなファンタジー。野口監督自らが手がけ、あたためてきた脚本が細部にわたりよく練られていて素晴らしく、映画も小粒ながら人を思いやる気持ちの機微を繊細に描いた秀作に仕上がっている。

主人公の真奈美を演じるのは、日・伊・加合作映画『SILK』や『七瀬ふたたび』『ジュテーム〜わたしはけもの』『かずら』『KING GAME』と、この後、続々とヒロインに抜擢される芦名星。この人は長い黒髪が印象的な、佇まいが美しい人なのだが、僕にはどーしても「インパラ」のイメージがある。
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この作品では、芦名星はまだ新人女優だ。仕事への「慣れ」など関係なく役に向き合っている真実味がヒシヒシと伝わってきて、好印象。ヒロインだけどセリフが少なく、表情や姿の芝居が多いので、彼女の魅力が十二分に生かされている。起用した監督のねらいズバリである。
とにかく超低予算で、2週間で撮り上げたそうだ。短期間だからスタッフはほとんど寝てないし、主役の芦名星も寝ていない。そのやつれていく様子がストーリーと符合しているから切ない。TEAM NACSの安田顕も大泉洋とはまた違った個性で長田という人間を精一杯に演じている。この映画では、中堅俳優ながら大物扱いの大森南朋が好き勝手やっている。管理人の妙田がまたそういう役だからいいのだ。

大森南朋のちょっと斜に構えた芝居は苦手だが、この映画では彼のコミカルな部分全開で好感が持てる。真奈美と長田が、長田の長野の実家で、両親(平泉成、白川和子)と一晩を過ごす場面はホントによくてジンワリとする。真奈美が長田や彼の両親、それから妙田と出会い、時間をともにすることで変わっていく過程は、哀しいながらも深い幸福感で満たされる。
監督と芦名星、大森南朋によるコメンタリー映像がまたいい。キャストも含め野口組がひとつのチームであることがよくわかる。監督は芦名星の表情を称え、芦名星は大森南朋の演技の引き出しの多さに舌を巻き、大森南朋は平泉成のアドリブに度肝を抜かれ、平泉成は「白川和子の演技は完璧だ」とくり返す。

感涙度は相当高いので、要注意。
おすすめ度★★★★☆
by kzofigo | 2011-07-26 22:50 | ムービービーム























