元気が出るソング 3・25
サザンはやっぱ『勝手にシンドバッド』が一番好きだが、
桑田のソロではアルバム『孤独の太陽』を除くと、このナンバーだな。
特別企画
ソロ・アルバム【MUSICMAN】(2011年2月26日発売)レビュー
◎桑田佳祐ソロ・アルバム
『Keisuke Kuwata』(1988年7月9日発売)
福山小夜による陰影に富んだジャケット・イラストとは裏腹に、桑田・小林武史&藤井丈司プロデュース
によるポップでカラフル、1枚目にして桑田佳祐ベストアルバム的なグレードを持った作品。桑名晴子、竹内まりや、アン・ルイスがコーラス参加。オリコン1位。ミリオン達成。レコード大賞優秀アルバム賞。
『孤独の太陽』(1994年9月23日)
ギターに小倉博和を迎えアコースティックサウンドを全面に押し出したフォーク・ロック的な作品。桑田佳祐版、『ジョンの魂』。最も社会性が強く、かつ私的でもある。どの曲もシングルカットできる濃密さを持つ、日本ロック史上、スカイツリー的な金字塔となるアルバム。オリコン1位。ミリオン達成。レコード大賞アルバム大賞・ベストアルバム賞。
『ROCK AND ROLL HERO』(2002年9月26日)
青学サークル後輩・斎藤誠のエレキギターを中心に据えたロック臭が強く漂う作品。「バンドによる生音」をコンセプトにしているだけあり、桑田のソロというより、年季の入ったロックバンドのサウンドが貫かれたアルバム。オリコン2位。ミリオン達成。ゴールドディスク大賞、ロック&ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー。

桑田佳祐のソロ・アルバムも、上に書いた3枚に続き、はや4枚目になるのだ。過去3作が、曲の独立性が強く、各ナンバーがせめぎあっているのに対し、このアルバムは曲同士が馴染みあい、アルバム全体で大きな1曲にまとまる、組曲的な印象を受ける。
しかし、それも桑田佳祐ソロ作品を見る視点からの話であり、レベルを通常モードに設定すれば、どの曲もシングルカットできる出来であることに変わりはない。桑田のソロがサザンと違うのは、想像力と遊び心、そしてメッセージ性がより自由なこと。自らの快気を祝う本作も、音楽の万華鏡のような目くるめく魅力にあふれている。
「今」という時代にケリを入れるロックナンバー『現代人諸君!!(イマジンオールザピープル)』に始まり、七夕に悶えるミディアムバラード『ベガ』、日本の政界や総理をイジり倒した『いいひと』、沖縄基地問題にも軽く触れた『SO WHAT?』、鎌倉を物語った『古の風吹く杜』、粋なスケこましソング『恋の大泥棒』。
さらに、死後の世界が面妖なスピリチュアルなナンバー『銀河の星屑』、諸行無常の円舞曲『グッバイ・ワルツ』、アルバムを象徴するような明るい遺言歌『君にサヨナラを』、浪速賛歌『大阪レディ・ブルース』、朝早く聴くにはあまりに淫らな「めざましテレビ」主題歌『旅立ちの朝』、オサムとアキラの絆がいなたい『傷だらけの天使』。
そして、女の本性を暴いた『本当は怖い愛とロマンス』、エレキ1本で気軽な応援歌をポジティブに弾き語る『それ行けベイビー!!』、世界の歌姫マドンナへの賛辞『狂った女』、サガンオールスターズによる失恋アイドルポップ『悲しみよこんにちは』、現在の日本をビートルズと掛け合わせたバラード『月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)』へと続く、全17曲。
55歳という歳相応の諦観の境地を含みながらも、根底に流れるのは「前向きに生きろ、コラッ!!」と鼓舞する、力強いメッセージ。希代のメロディメーカー、言葉の魔術師ぶりは不変。エロスとロマンス、レジスタンスがとぐろを巻く、音楽の一大絵巻というべきポップスの王道が、ここにある。
悪さしながら男なら 粋で優しい馬鹿でいろ…ほんとはこの曲が好きな僕なのさ
静かなるドン・ガバチョ!!
桑田のソロではアルバム『孤独の太陽』を除くと、このナンバーだな。
特別企画
ソロ・アルバム【MUSICMAN】(2011年2月26日発売)レビュー
◎桑田佳祐ソロ・アルバム
『Keisuke Kuwata』(1988年7月9日発売)
福山小夜による陰影に富んだジャケット・イラストとは裏腹に、桑田・小林武史&藤井丈司プロデュース
によるポップでカラフル、1枚目にして桑田佳祐ベストアルバム的なグレードを持った作品。桑名晴子、竹内まりや、アン・ルイスがコーラス参加。オリコン1位。ミリオン達成。レコード大賞優秀アルバム賞。
『孤独の太陽』(1994年9月23日)
ギターに小倉博和を迎えアコースティックサウンドを全面に押し出したフォーク・ロック的な作品。桑田佳祐版、『ジョンの魂』。最も社会性が強く、かつ私的でもある。どの曲もシングルカットできる濃密さを持つ、日本ロック史上、スカイツリー的な金字塔となるアルバム。オリコン1位。ミリオン達成。レコード大賞アルバム大賞・ベストアルバム賞。
『ROCK AND ROLL HERO』(2002年9月26日)
青学サークル後輩・斎藤誠のエレキギターを中心に据えたロック臭が強く漂う作品。「バンドによる生音」をコンセプトにしているだけあり、桑田のソロというより、年季の入ったロックバンドのサウンドが貫かれたアルバム。オリコン2位。ミリオン達成。ゴールドディスク大賞、ロック&ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー。

桑田佳祐のソロ・アルバムも、上に書いた3枚に続き、はや4枚目になるのだ。過去3作が、曲の独立性が強く、各ナンバーがせめぎあっているのに対し、このアルバムは曲同士が馴染みあい、アルバム全体で大きな1曲にまとまる、組曲的な印象を受ける。
しかし、それも桑田佳祐ソロ作品を見る視点からの話であり、レベルを通常モードに設定すれば、どの曲もシングルカットできる出来であることに変わりはない。桑田のソロがサザンと違うのは、想像力と遊び心、そしてメッセージ性がより自由なこと。自らの快気を祝う本作も、音楽の万華鏡のような目くるめく魅力にあふれている。
「今」という時代にケリを入れるロックナンバー『現代人諸君!!(イマジンオールザピープル)』に始まり、七夕に悶えるミディアムバラード『ベガ』、日本の政界や総理をイジり倒した『いいひと』、沖縄基地問題にも軽く触れた『SO WHAT?』、鎌倉を物語った『古の風吹く杜』、粋なスケこましソング『恋の大泥棒』。
さらに、死後の世界が面妖なスピリチュアルなナンバー『銀河の星屑』、諸行無常の円舞曲『グッバイ・ワルツ』、アルバムを象徴するような明るい遺言歌『君にサヨナラを』、浪速賛歌『大阪レディ・ブルース』、朝早く聴くにはあまりに淫らな「めざましテレビ」主題歌『旅立ちの朝』、オサムとアキラの絆がいなたい『傷だらけの天使』。
そして、女の本性を暴いた『本当は怖い愛とロマンス』、エレキ1本で気軽な応援歌をポジティブに弾き語る『それ行けベイビー!!』、世界の歌姫マドンナへの賛辞『狂った女』、サガンオールスターズによる失恋アイドルポップ『悲しみよこんにちは』、現在の日本をビートルズと掛け合わせたバラード『月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)』へと続く、全17曲。
55歳という歳相応の諦観の境地を含みながらも、根底に流れるのは「前向きに生きろ、コラッ!!」と鼓舞する、力強いメッセージ。希代のメロディメーカー、言葉の魔術師ぶりは不変。エロスとロマンス、レジスタンスがとぐろを巻く、音楽の一大絵巻というべきポップスの王道が、ここにある。
悪さしながら男なら 粋で優しい馬鹿でいろ…ほんとはこの曲が好きな僕なのさ
静かなるドン・ガバチョ!!
by kzofigo | 2011-03-25 01:41 | ミュージック・ブック























