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上原ひろみライヴレビュー by TT氏     

あれは、2009年10月25日発売のオセラ42号CONCERTページだっただろうか、
本格的な演劇鑑賞を目的にこしらえられたキャパ約900人の倉敷市芸文館で行なわれる、
ジャズ・ピアニスト上原ひろみの初ピアノ・ソロ・ライヴを紹介したところ、12月18日、
そのコンサートに、僕の担当エディターで【DJ TAROの声を持つ太平サブロー】ことTT氏が、
元・太平シローに似てなくもない僕を差し置いて、なんと行って来たというではないか。


                2人で打ち合わせをやってると、みんな気軽に
                「シロちゃん、サブ!」と声を掛けてくれる
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                      (c)吉本興業


やるやるとは聞いていたが、ここまでとは、うーん、甘く見ていた。
伊達に公子と初代ユーノス・ロードスターに乗り続けてないな。

行って来ただけではなく、ライヴがあるのをすっかり忘れていた僕へのあてつけだろう、
コンサート・レビューをメールでよこしてきた。
オセラ42号の事前打ち合わせの時は、上原ひろみと上原 “マーブルチョコ” ゆかりの
区別もついてなかったのにー。
僕からオール・アバウト上原ひろみを聞かされ、BSで彼女のライヴ映像を目の当たりにして、
俄然、興味を抱いた、にわかひろみファンなのにー。

でも、レビューの内容が、僕を悔しがらせるどころではないほど
純粋な情熱に満ちあふれていたので、紹介させていただくことにした。

ありがとう、TTさん。ぺこぺこ。



先週、上原ひろみ嬢のJAPAN TOUR倉敷公演に行って来ました。いつもの習慣でうっかり市民会館に行ってしまい、熊本銘木展とやらの搬入作業を見た瞬間は、心底ビビる大木でしたが、速やかに芸文館へ移動してセーフ! 事なきを得ました。

ライヴは彼女が敬愛してやまないオスカー・ピーターソンとの思い出が詰まったガーシュイン作曲の『I've Got Rhythm』でスタート。うわ、ひろみ嬢、1曲目からアクセル全開だ。上原登場でござい、これでも食らえ!とばかりの完璧な先制パンチに、こちとらたじたじ。

アドリブパートに入った途端、キース・ジャレットばりに声は出すわ、立ち弾きするわで、完全にジャズの神様、降臨状態。私の理解をはるかに超えて凄かったせいか、思わず笑えてきてしまいました。

その後もパッションが破裂したような激しいナンバーあり、鏡と見紛う湖水のみなもに音の波紋がすーっと広がるごときスロウな美しい曲あり。なんというのでしょうか、圧倒的な音符の速射砲で目に付くものを手当たり次第に葬りつつも、突如として戦場のナイチンゲールに変身を遂げ、自らの手で負わせた痛みを慈悲深く癒す、みたいな感じでした。


 ▼最新傑作アルバム『PLACE TO BE』収録風景
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彼女の真骨頂は、実は超絶技巧の部分ではなくて(もちろんそれも凄まじすぎますが)、それをハイレベルな表現として確立しておきながら、実はこんなに優しい曲を、演奏している本人が落涙するほど感情豊かに弾いちゃうんだよ、というところにあるような気がしました。

というか、私は『Somewhere』の最後の最後、ゆっくりと音の階段を上がって行き、フィニッシュのポロロンで天に召されたような感じがして、涙腺が崩壊しただけに、そう思ってしまうのかもしれませんが。

アンコール後の挨拶で、彼女は泣いていました。「ここ、私本当に初めてですよね、こんなにあったかい拍手いただいて…」と言葉に詰まっていました。と思ったら、いきなりピアノに飛びついて、立ったまんまで電光石火の速弾きふたたび!

途中何度も「しゃべりは苦手ですが、こっちは大丈夫だと思うんで」とピアノをなでなでしながらMCを入れていました。《 涙で絶句 ⇒ ピアノ飛びつき 》の劇的行為を見せつけられて、この人はピアノを弾くために生まれてきた、本当に本物のピアニストなんだな、と感服いたしました。





  ▼上原ひろみがピアニストとして尊敬する矢野顕子も1曲ヴォーカルで参加
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コンサートの感想をメールしてくれたのは、ライヴでのパフォーマンスに打ちのめされ、
上原ひろみに開眼するきっかけを作ったにすぎない僕への感謝の気持ちからだと、
ちゃんと分かってますってば。

Thanks a lot, Mr.TT!

でも……

やっぱり悔しいなあ TT←涙



****************倉敷観光ガイド****************

 ▼倉敷市芸文館(キャパ885人)          ▼倉敷市民会館(1996人)
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芸文館ができてパルコ劇場ほかメジャーな演劇を呼べるようになりました。市民会館は残響に優れ、クラシック以外にも全盛期のジェフ・ベック・グループや全国でわずか8公演だったボブ・ディランなどが伝説的なライヴを行なっています。どちらも美観地区周辺に位置しています。

by kzofigo | 2010-01-17 04:17 | ミュージック・ブック