あー だから今夜だけは 君を抱いていたい
◎CDレビュー◎
ふたりが眺めた窓の向こう 財津和夫
高校1年の時だったと思う。大ヒット曲 『心の旅』 を引っ提げて倉敷市民会館にやって来た「チューリップ」のコンサートへ行った。会場からは「姫野さ~ん!」「財津さ~ん!」と黄色い喚声が飛び、『心の旅』 では男たちの歌声がステージからのヴォーカルと混ざりあった。とにかく1970年代におけるチューリップのメガヒッターぶりは凄かった。
あれから35年。音楽活動38年、昨年60歳の誕生日を迎えた財津和夫が、8年ぶりのオリジナル・ソロ・アルバムをリリースした。これまでソングライターとして600以上の楽曲を作り、200以上の楽曲を提供してきた。今回の作品は、長年のキャリアを背景にした人々との「つながり」をテーマに、自らの新曲だけでなく、さまざまなアーティストからの楽曲提供と共作を含んでのリリースだ。
コラボレーションが実現したのは、同じ時代を駆け抜けてきた小田和正や同郷・福岡出身のASKA、ヴォーカリスト伊豆田洋之、元プリプリの作詞家・富田京子、キロロの金城綾乃、平原綾香ら現在の音楽界をリードするアーティストたち。

語りかけるようなヴォーカルが心地よい 『愛の力』 『風のみえる部屋』。前向きなサウンドが印象的な 『幸せは始まっていたのに』。サビがビートルズの 『エリノア・リグビー』 を思わせる 『クイズ』。元プリプリの富田京子の作詞によるキュートな 『バイバイロマンス』。男女の情交を連想させるエロチックな 『今 君を抱くから』。財津メロディの新しい美しさがある 『窓の中のふたり』。
このアルバムのハイライトともいえる小田和正・作詞作曲の 『手紙にかえて』 とASKA作曲による 『愛していたい』。平原綾香が詞を共作した曲の構成が組曲のような 『昨日からのメッセージ』。唯一「チューリップ」を感じさせるボーナストラック 『世界一好き』 ほか、全13曲。全編ラヴソング。どれも至近距離のLOVEを歌っている。歌詞が「詩」のようであり、私小説のような作品だ。
大人の余裕を感じさせ、歳を重ねることにエールを贈るアルバムとして、これ以上ない仕上がり。「アラ還」でなくては伝えられない言葉と声と感情が、ヴォーカルと同時録音のギターを中心としたアコースティック・サウンドを伴って、10代の頃から脈打つ心の大切な部分にじんわりと沁みてくる。
肩の力が抜けて、財津和夫自身が一番リラックスしている。デジタル・オーディオ・プレイヤーではなく、CDの音源をスピーカーから聴いてほしい、どこかアナログ感をまとった作品だ。裏ジャケットの写真は 『ジョンの魂』 へのオマージュなのだろうか?

◆ビクターエンタテインメント 3150円
ふたりが眺めた窓の向こう 財津和夫
高校1年の時だったと思う。大ヒット曲 『心の旅』 を引っ提げて倉敷市民会館にやって来た「チューリップ」のコンサートへ行った。会場からは「姫野さ~ん!」「財津さ~ん!」と黄色い喚声が飛び、『心の旅』 では男たちの歌声がステージからのヴォーカルと混ざりあった。とにかく1970年代におけるチューリップのメガヒッターぶりは凄かった。
あれから35年。音楽活動38年、昨年60歳の誕生日を迎えた財津和夫が、8年ぶりのオリジナル・ソロ・アルバムをリリースした。これまでソングライターとして600以上の楽曲を作り、200以上の楽曲を提供してきた。今回の作品は、長年のキャリアを背景にした人々との「つながり」をテーマに、自らの新曲だけでなく、さまざまなアーティストからの楽曲提供と共作を含んでのリリースだ。
コラボレーションが実現したのは、同じ時代を駆け抜けてきた小田和正や同郷・福岡出身のASKA、ヴォーカリスト伊豆田洋之、元プリプリの作詞家・富田京子、キロロの金城綾乃、平原綾香ら現在の音楽界をリードするアーティストたち。

語りかけるようなヴォーカルが心地よい 『愛の力』 『風のみえる部屋』。前向きなサウンドが印象的な 『幸せは始まっていたのに』。サビがビートルズの 『エリノア・リグビー』 を思わせる 『クイズ』。元プリプリの富田京子の作詞によるキュートな 『バイバイロマンス』。男女の情交を連想させるエロチックな 『今 君を抱くから』。財津メロディの新しい美しさがある 『窓の中のふたり』。
このアルバムのハイライトともいえる小田和正・作詞作曲の 『手紙にかえて』 とASKA作曲による 『愛していたい』。平原綾香が詞を共作した曲の構成が組曲のような 『昨日からのメッセージ』。唯一「チューリップ」を感じさせるボーナストラック 『世界一好き』 ほか、全13曲。全編ラヴソング。どれも至近距離のLOVEを歌っている。歌詞が「詩」のようであり、私小説のような作品だ。
大人の余裕を感じさせ、歳を重ねることにエールを贈るアルバムとして、これ以上ない仕上がり。「アラ還」でなくては伝えられない言葉と声と感情が、ヴォーカルと同時録音のギターを中心としたアコースティック・サウンドを伴って、10代の頃から脈打つ心の大切な部分にじんわりと沁みてくる。
肩の力が抜けて、財津和夫自身が一番リラックスしている。デジタル・オーディオ・プレイヤーではなく、CDの音源をスピーカーから聴いてほしい、どこかアナログ感をまとった作品だ。裏ジャケットの写真は 『ジョンの魂』 へのオマージュなのだろうか?

◆ビクターエンタテインメント 3150円
by kzofigo | 2009-12-27 01:52 | ミュージック・ブック























