雲が燃えている

雲が紅く燃えている。
OTと出会ったのは、お互い18歳の予備校生のときだ。
もともとOTは、僕の高校の同級生Nと同じ予備校で、OTはNと親しくなった。
高3の担任ターの言い付けでNとは別の予備校に通っていた僕に、NがOTと引き合わせた。
僕は自習室で寝ていた。そこにNとOTが入ってきた。
そのときの教室の光線の具合や空気感みたいなものは鮮明に覚えている。
「メンクラ」と「チェックメイト」を愛読していた僕は、
浪人時代を当時(雑誌の中で)流行っていたヘヴィーデューティで通そうと決めていた。
adidasのウィンドブレーカーにHALFのコーデュロイ、ワークブーツにデイパック。
そんな出で立ちの僕を見ると誰もが決まってこう言った。
「山に行っとったん?」「山から帰ったん?」
目を覚まして椅子から立ち上がり僕が2人に正対すると、OTは大げさに後ずさりした。
「山に行っとったん?」じゃなくて、OTはこう言って驚いてみせた。
「大きいのう。熊に襲われるんかと思うた」
OTは一発目からオーバー・リアクションで、それは33年経っても変わらなかった。
雲が修羅色に燃えている。
by kzofigo | 2009-10-25 01:46 | 家族の友























