感無量

引越しで、N通から連絡がなかったのは、
向こうの担当者が僕の電話番号を間違えて控えていたからだった。やれやれ。

結局、搬出・搬入のみで一番安い引越しのSカイに頼むことにした。
自分で梱包するためにダンボールが必要だ。
新居に本と衣裳ケースを運び込んだあと、旧宅へ向う途中で、
3年間お世話になったディスカウント・スーパーに寄った。

ポイントカードのポイントを機械で読み取ると、200円券が7枚と出た。
男性店員を呼び止めると、たまたま店長だった。
昭和53年ヤクルト監督当時の広岡達朗のようにダンディだ。

僕は店長に引越しすることを告げ、3年間お世話になった礼を言い、
もしダンボールがあまっているなら、このポイントで分けていただけないかと頼んだ。
店長は、「ポイントは要りません。ダンボールはありますが、引越しに使うなら、
選ばないとダメでしょうから、着いて来てください」と言った。

売場を奥に分け入り、バックヤードを通り抜け、店舗裏の搬入口まで行った。
さまざまな大きさのダンボールが積まれている。
店長は、「この中から適当なものを持って行ってください、
車をここまで持って来て積んでくださって構いませんよ」とまで言ってくれた。




そして入手したダンボールが上の写真だ。
引越しの鉄則（1 ）。ダンボールは大きさを揃えること。

最後に「引越し先にもウチの店はありますから、ポイントはそちらで使ってください」と
店長はおっしゃった。僕は店長の心根の優しさに打たれ、感涙した…というのはウソで、
しかし、感謝の気持ちいっぱい、感無量で深々と頭を下げた。

引越しのSカイがダンボールを無料で提供してくれることを知ったのは、
その数十分後だった。


◆


新居で部屋を通り抜ける涼しい風に吹かれながら、青々とした田畑を望んでいたら、
なぜか人恋しくなって、大阪のKBに電話した。
KBは自宅でセルビデオ『結婚しようよ』を観ていた。

いろいろと話をしてイチローの話題になったら、
「安打数新記録のフィギュア持ってるで」とKBが言う。
「画像、送ってよ」と言うと、「そのへんが分からへんねん」とKB。

で、すべての用事を済ませて実家へ帰り、ノートPCを開くと、届いてるじゃないか。


　　▼後ろの「てっぺん」が気になる！


ジョージ・シスラーの年間最多安打記録に並び追い抜いたゲームの時のとおり、
紺のジャージで、ストッキングはまだ見せていない。

あらためて、KB、サンキュ！

話ができて、感無量。うれしかったぜ。


◆


選挙は、民主党が政権を奪取したことより、自民党が、V9時代の某球団のように、
アホみたいに強かった自民党が、結党以来、初めて第一党の座から陥落したことに、
遅すぎた達成感や期待感を感じている。

恐山から「いたこ」を呼んで、江田三郎、春日一幸、宮本顕治、三木武夫、田中角栄…
といった各氏の忌憚のない感想を聞いてみたいものだ。

真の二大政党制のもとで、時代を活性化させる、ダイナミックな政治を期待したい。

しかし、岡山一区がくやしいなあ。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　感無量!