墓参り
今日は、お盆に行けなかった、伯母の墓へお参りに行って来た。
昨年、91歳でこの世を去った伯母は、水田が広がる干拓地の一角の墓地で眠っている。
周りの墓石に比べて、小ぶりなところが、控えめな伯母らしい。
伯母と並んで、56歳で亡くなった伯父=伯母の夫の名前も墓石には刻まれている。
夫婦水入らずで2人は何を話しあっているんだろう。
墓参りの前に、伯母の二女=僕のいとこと会って、話をした。
長男と二男=藤岡兄弟は、8月30日に長野県の岡谷市民総合体育館で行なわれる
第1回パワーチェアーフットボールブロック選抜大会に向けての練習で、
ヘルパーさんたちと広島へ行っている。中2の長女は部活のテニスだ。
ホームセンターで働いているいとこが、ひとりで家にいるのは、すごくめずらしいことだ。
寝返りが打てない兄弟の世話のために寝不足で、昼間に5分ほど気を失ったように
眠ることがあるのは変わってないが、彼女の表情はいつものように輝いていた。
進行性の遺伝型筋ジストロフィーには、子どもの時に発症するデュシェンヌ型と
発症時期が遅いベッカー型に分けられる。藤岡兄弟はデュシェンヌ型だ。
自分の息子2人が筋ジスを発症した時は絶望の淵に立たされたいとこだが、
就学のこと、数が少なく遠方でしかもコロコロ変わる専門担当医のこと、
そして2人の病状のこと…
いろんな逆境と対峙し乗り越えることで抱いた
「なったもんはしょうがない」「他の人にはできない貴重な体験をしている」という
前向きな受け入れ、「今日1日をしっかり生きる」という揺るぎない意志が、
いとこを輝かせているんだと思う。
何度も書いているが、電動車椅子サッカーと出合って、兄弟2人は変わった。
水島の工場から請け負っているパソコンを使った製図の仕事も順調のようだ。
異例の時給の10円昇給と数万円のボーナス支給があったそうだ。
また、2人を世話してくれているヘルパーさんやボランティアの大学生を見ていると、
ここ10年で日本の介護態勢は格段の進歩を遂げていると実感できる。
ただし、筋ジスは進行していて、呼吸器系に症状が及んできた。
「人工呼吸法」が手放せなくなりつつある。
だから、新型インフルエンザには細心の注意が必要だ。
どうか、藤岡兄弟とその家族が、今日1日無事で過ごせますように。
僕ら今日も生きとるけん、
そこから見とってな、おばちゃん。
by kzofigo | 2009-08-23 23:45 | 家族の友