トランスポーター2

「トランスポーター2」
テレビで『トランスポーター』をやっていて、観ていなかった「2」を観たくなった。
つねに死と隣りあわせのプロの運び屋からの引退を決意し、コート・ダ・ジュールからマイアミへとやって来た、フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)。彼は、トランスポーターにとっては簡単すぎる依頼ながら、裕福なビリングス家のひとり息子ジャックを送迎する平穏な仕事を、それなりに楽しんでいた。しかし、フランクがジャックを定期健診に連れて行った病院で、2丁拳銃の女ローラ(ケイト・ノタ)たちにジャックを誘拐されてしまう…。
スーツはイタリア製、腕には高級スポーツウォッチPANERAI、携帯はNOKIA、情報を運ぶのはiPod。そして今回の相棒はアウディのフラッグシップモデル、Audi A8。トランスポーター・シリーズで好きなのは、このフランクのスタイリッシュなこだわりだ。元・飛び込み選手でアクション・シーンもスタントなしのジェイソン・ステイサムは、今やブルース・ウィリスを抜いて、世界一かっこいいハゲ俳優といってもいいのでは?
さて、実はジャックの誘拐は手段で、麻薬組織のボス・ジャンニ(アレッサンドロ・ガスマン)の目的は、自分の商売の邪魔をする者たちを一網打尽に消すことにある。それを知ったフランクが、前作にも増して大掛かりなカーチェイスと、前作同様コーリー・ユンの振付けによる格闘シーンで、まるで007シリーズのように見せ場をたっぷりと作りながら、阻止しようと挑む。そこが本作の見どころだ。
また、「守れない約束はしない」というルール4を交わしたフランクとジャックの友情、ジャックの母親オードリー(アンバー・ヴァレッタ)とフランクの淡いロマンスも物語に深みをもたらしている。「イタリアの郷ひろみ」というべきアレッサンドロ・ガスマンのボス役は、ユーモラスでスタイリッシュなこの映画にぴったりだが、2丁拳銃の女ローラ役ケイト・ノタは腹筋の割れた研ナオコみたいで浮いてると感じた。ジェファーソン・ビリングス役、『ベイビー・イッツ・ユー』『バーディ』『フルメタル・ジャケット』のマシュー・モディーン(50歳)が老けているのは、ちょっとショックだった。
前作に比べスケール・アップはしているが、グレード・アップしているとは言いがたい。それが率直な感想。やっぱりスー・チーのいないのが寂しい。寂しすぎる。ジェイソン・ステイサムって身長何センチなんだろう? ジャンニ役のアレッサンドロ・ガスマンと比べると相当に低く感じる。剣道、日本人っぽい組織の手下たちと日本刀…『TAXi』シリーズ同様、リュック・ベッソン(制作・脚本)の「日本好き」が随所に出てくるよ。
おすすめ度★★★★☆
by kzofigo | 2009-09-05 18:43 | ムービービーム























