DVD【ヤング@ハート】レビュー
たたきのめされた。
まさか90歳を超えるおばあさんが歌うプリンスの『ナッシング・コンペア・トゥ・ユー』に
泣かされるとは思ってもみなかった。
こんなに楽しんで、こんなに泣いた映画はいつ以来だろう。
米国マサチューセッツ州の小さな街ノーサンプトンを拠点に活動する
ロックンロール・コーラス隊「ヤング@ハート」。
「やんちゃな年金生活者」と評されるシンガーたちは、平均年齢80歳。
この映画は、仲間の入院や死など悲しい出来事に直面しながらも、
年に1度のコンサートに向けて、音楽監督ボブ・シルマン(54歳)の指導のもと、
明るく元気に練習を重ねる彼らに密着した、ユーモアと哀愁に満ちあふれたドキュメンタリーだ。
まずメンバーみんながキュートで魅力的だ。
その彼らが、自分たちの高齢化という困難に立ち向かいながら、
ラモーンズやジミ・ヘンドリクス、デヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズ、
ブルース・スプリングスティーン、ボブ・ディラン、ビージーズ、ゾンビーズ、ソニック・ユース、
ジェームス・ブラウン、アラン・トゥーサンなどの音楽を自分たちのものにしようと奮闘する姿は、
彼らが作り上げる音楽、そこで生まれる友情とともに、老いに対する勇気を与えてくれる。
凄いと思ったのは、老人たちが歌う歌詞に重みがあって、原曲よりも心に伝わってきたことだ。
たとえば、ザ・クラッシュのパンクロック・ナンバーを、まるでシェークスピアのように歌う
92歳のアイリーン。彼女が歌う耳慣れたロックの歌詞は、新たな辛辣さをもって迫ってくる。
それは、まさに死と背中合わせになりながら、魂から絞り出された最期の輝きが
言葉に込められているからだろう。
コンサートでのパフォーマンスは、胸がいっぱいになって、立ち上がって声援を贈りたくなった。
なかでも、心臓病で酸素ボンベが手放せないフレッドが亡くなった仲間に捧げる
コールドプレイのバラード『フィックス・ユー』には胸打たれた。
まさに歌詞のとおり「ほほをつたって 涙がこぼれおちる」。
笑って、泣いて、生きることの喜びを教えてくれる、シワだらけの青春ドラマ、真実の物語だ。
命果てるまでシャウトし続ける生涯現役のロックンローラーたちに乾杯!
おすすめ度★★★★★
まさか90歳を超えるおばあさんが歌うプリンスの『ナッシング・コンペア・トゥ・ユー』に
泣かされるとは思ってもみなかった。
こんなに楽しんで、こんなに泣いた映画はいつ以来だろう。
米国マサチューセッツ州の小さな街ノーサンプトンを拠点に活動する
ロックンロール・コーラス隊「ヤング@ハート」。
「やんちゃな年金生活者」と評されるシンガーたちは、平均年齢80歳。
この映画は、仲間の入院や死など悲しい出来事に直面しながらも、
年に1度のコンサートに向けて、音楽監督ボブ・シルマン(54歳)の指導のもと、
明るく元気に練習を重ねる彼らに密着した、ユーモアと哀愁に満ちあふれたドキュメンタリーだ。
まずメンバーみんながキュートで魅力的だ。
その彼らが、自分たちの高齢化という困難に立ち向かいながら、
ラモーンズやジミ・ヘンドリクス、デヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズ、
ブルース・スプリングスティーン、ボブ・ディラン、ビージーズ、ゾンビーズ、ソニック・ユース、
ジェームス・ブラウン、アラン・トゥーサンなどの音楽を自分たちのものにしようと奮闘する姿は、
彼らが作り上げる音楽、そこで生まれる友情とともに、老いに対する勇気を与えてくれる。
凄いと思ったのは、老人たちが歌う歌詞に重みがあって、原曲よりも心に伝わってきたことだ。
たとえば、ザ・クラッシュのパンクロック・ナンバーを、まるでシェークスピアのように歌う
92歳のアイリーン。彼女が歌う耳慣れたロックの歌詞は、新たな辛辣さをもって迫ってくる。
それは、まさに死と背中合わせになりながら、魂から絞り出された最期の輝きが
言葉に込められているからだろう。
コンサートでのパフォーマンスは、胸がいっぱいになって、立ち上がって声援を贈りたくなった。
なかでも、心臓病で酸素ボンベが手放せないフレッドが亡くなった仲間に捧げる
コールドプレイのバラード『フィックス・ユー』には胸打たれた。
まさに歌詞のとおり「ほほをつたって 涙がこぼれおちる」。
笑って、泣いて、生きることの喜びを教えてくれる、シワだらけの青春ドラマ、真実の物語だ。
命果てるまでシャウトし続ける生涯現役のロックンローラーたちに乾杯!
おすすめ度★★★★★
by kzofigo | 2009-06-27 11:49 | ムービービーム