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雨音はヴィヴァルディの調べ・・・

本格的な雨の夜だ。SHIHOのことを考えていたら、初めて好きになったK子のことを思い出した。小2のときだ。K子は千葉からの転校生だった。小5に上がるとき、小4からやっていた器楽合奏クラブで、僕はコントラバスに指名された。ピアノの腕前が抜群だったK子は、当然のように第1アコーディオンになった。そして、小5のときに県の器楽合奏コンクールで演奏したのが、超有名な【四季】と並ぶアントニオ・ヴィヴァルディの代表作【協奏曲集「調和の幻想」】の【作品3 第8番 イ短調 RV522 第1楽章:Allegro】だ。小6では【四季】の「春・第1楽章」をやったが、RV522が僕にとってのヴィヴァルディだ。高3のときバンドを組んで文化祭に出たメンバーのUは、ヴィヴァルディを「金太郎飴じゃ。どこを切っても一緒」とバッハやモーツァルトに比べたら2流という目をして言った。東京で知り合った仕事上の相棒でデザイナーのSは、喫茶店でかかったヴィヴァルディを聴いて、「人を殺したくなる音楽やな」と言って笑った。それを聞いて優作の『野獣死すべし』を思い浮かべた。2人とも当たっているが、それでもヴィヴァルディが僕にとって特別な作曲家であることに変わりはない。僕は詩人であるとともにリコーダー奏者でもあるので、2つのヴァイオリンのために書かれたこの曲を、リコーダーがリードを取っているバージョンを選んだ。バックのオケはマックのソフトを使って作ったようだ。原曲には迫力で劣るが、とてもキュートなRV522だと思う。


▼協奏曲「調和の幻想」作品3 第8番 イ短調 RV522 第1楽章:Allegro



この曲が流れている時間、僕は11歳になる。小5の器楽合奏コンクール。岡山市民会館のステージ。指揮者を間に挟んだ対面で、僕の好きなK子が真剣な表情でアコーディオンを弾いている。

by kzofigo | 2009-03-14 02:47 | ミュージック・ブック