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シティアイデンティティ     

今日は天気がよくてあったかかったね。

知人のお見舞いで倉敷中央病院へ。ここを訪れるたびにそのホスピタリティの質の高さには感心させられる。ごく一例になるが、案内サービスのボランティアの方が要所に待機しているし、入院手続きが済んだ患者を病室にエスコートするだけのボランティアの方も控えてる。

1923年(大正12年)に、当時、倉敷紡績社長で大原美術館なども設立した大原孫三郎氏が創立した。2001年に台湾の李登輝・元総統が持病の心臓病治療のために訪れたことでも有名だ。写真に写っているのは北病棟で全体の3分の1程度。現在、老朽化した病棟を次々と建て替えている。

▼倉敷中央病院
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倉敷の公共施設の建築は、蔵の意匠である「なまこ壁」の黒と白、それにベンガラ色(←推測)の3色を使ったものが多い。観光都市・倉敷のイメージを統一させるためだ。大原孫三郎氏がドイツにあるローテンブルクの町並みを好んだことも影響しているかも知れない。


          ▼ローテンブルグの町並み
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そういった倉敷の建築物によるイメージの統一化を「倉敷CI」と呼びたい。「倉敷シティ・アイデンティティ」だ。では、次の「倉敷CI」に行ってみよー


倉敷市民会館は、耐震補強・老朽化対策修繕工事のため、2008年10月1日から2009年11月2日まで休館中。1972年に完成したこの建物の概観は、鶴が大きく翼を開いて羽ばたく様子を表わしている。残響時間は、音響反射板を使用することで満席時1.7秒。とくにクラシックの音楽ホールとしては、世界的にも優れた特性を誇っている。ホール座席数は、1974席(1階:1390席、2階:584席)。


         ▼演奏していてすごく気持ちのいいホールだ
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完成した1972年、中学2年の時、初めて自分でチケットを買ってコンサートに行った。ユージン・オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団公演。メインプログラムの『展覧会の絵』を聴きたかったのだ。翌年は、自分が舞台に立った。県の中学吹奏楽祭でトリを取り、ドヴォルザーク『新世界』の第4楽章を演奏した。その後、チューリップやポール・モーリアのコンサートにも行ったなあ。ジェフ・ベック・グループやボブ・ディランはチケットが高くて行けなかったのが残念。

▼工事中の倉敷市民会館
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倉敷市役所の雄姿も撮りに行った。完成当時、サンケイ新聞の広告だったと思うが、「こんな豪華な市役所が必要でしょうか? 借金増税は御免だ」というネガティブ・アプローチの全国版CFに使われ、ラブホテルに間違えられた市庁舎だ。

市民はそんなこと何とも思っていない。市街地から少し外れた場所に建っているので、目立っていて分かりやすいんじゃないっていう程度だ。無味乾燥な岡山県庁や殺風景な岡山市役所に比べれば、ずっとマシだと思う。丹下健三氏による旧市役所(現・市立美術館)もシックな味わいのあるいい建物だ。

▼倉敷市役所
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実はこの市役所が出来た頃、デザインが限りなく近いラブホテル「ドレミイン倉敷」が登場して話題になった。今回、行ってみたら、看板は昔どおりなんだけど、シートがかかっていて、廃業したのか改装中なのか分からなかった。

▼別棟で営業してるみたい
http://www.doremi-rose.net/

20歳を過ぎた頃、実はドレミインに入り損ねたことがあるが、
それはまた別の話。

by kzofigo | 2009-02-06 19:31 | ジョブズの流儀