高校サッカー決勝 雑感
全国高校サッカー決勝では、広島皆実のプレーに目を見張った。
凄まじい得点力を誇る鹿児島城西に対し、
「ボールをキープし続けることが最大の防御」と、速い出足でボールを奪い、
中盤を支配して、ゲームを優勢にすすめ、
サイド攻撃で何度もチャンスメイク、そして得点。
J1広島の下部組織出身者が7人。ユースに上がれなかった選手たち。
彼らを中心に、ボールを持ったら絶対に奪われないキープ力と、
パスで相手を崩す確かなテクニックと精度があった。
ロングボールを多用する九州にあって、
鹿児島実業を破るためにパスサッカーを選択した鹿児島城西とは
技術・戦術の習得度の度合いが違って見えた。

鹿児島城西の大迫勇、野村の破壊力は驚異的だが、
パスでは活路を見出せないと、
前線にボールを通すためにロングボールを放り込むばかりでは、
広島皆実の堅い守備網に引っかかってしまう。
そんなツートップに頼りがちな鹿児島城西に比べ、
広島皆実は2列目、3列目が攻撃参加する攻めの分厚さがあった。
鹿児島城西ディフェンス陣にサイド攻撃でスキを作り、
そこからのコンビネーションと崩しで得点を重ねた攻撃は見事だった。
3-2というスタッツは、鹿児島城西の個人の力を、
広島皆実の個の技術と強さを土台に培われた組織力が上回った結果だろう。

しかし、それでも大迫勇が素晴らしい素質の持ち主であることに変わりはない。
鹿島でもまれ、U-20代表で活躍する姿を早く見たいものだ。
「たられば」の話だが、
大迫勇が金島とツートップを組んだ広島皆実は、まさに「堅守強攻」という意味で、
高校最強チームではないかと思った。
by kzofigo | 2009-01-12 22:26 | スポーツ旬報























