3-5

ガンバ、よくやった!
アジアの頂点に立ち(ほんの3年前に)Jリーグ王者に輝いたクラブが、ヨーロッパ王者であり世界のトップリーグで数々の栄光に彩られたクラブに挑戦する一戦。あるいは、全世界にファンを持つ地球規模のビッグクラブと、「わになれなにわ」を合言葉にした大阪のローカルクラブによる一戦。
スタンドに陣取る日本人の顔をしたマンUサポーターを見るとなんか腹立たしくてしょうがない。NHKがBSでプレミアリーグをオンエアするようになって、また増えたんだろうな。マンUを応援する日本人は髪を金髪にして、ダウンタウンが「ごっつ」でよく使っていた「外人の鼻」を付けてほしいとマジで思う。
NHKよ! WOWOWからリーガを取り戻すんだ!
佐々木と二川のリタイヤでマンUに太刀打ちできる布陣が組めるのか心配だったけど、ACLで5ゴールの山崎をワントップに、両サイドにルーカスと播戸、遠藤をボランチに下げた西野采配はハマったねえ。遠藤を起点にした展開はみごとに機能していたじゃないか。
前半28分と前半46分、ギグスCKからのビディッチとC・ロナウドのヘッドによる2点はマークが付いた上での失点なんで防ぎようがないわいな。そう思わん?
後半29分、中盤の底から流し込んだ遠藤の「長い縦パス」に、走り込んで来た橋本が中央の山崎にワンタッチでダイレクトパス。山崎が右足でゴール右に決め1点目! 若作りの37歳ファン・デル・サールの牙城を破り、クラブワールドカップ準決勝でヨーロッパ王者から初得点をもぎ取ったぞ。
後半30分と33分と34分、途中交代で入ってきたルーニー、フレッチャー、ルーニーの失点も、彼らのフレッシュな動きにガンバ守備陣はついていけなかっただけだ。負け惜しみだ。しかし、たった4分間で3ゴール。よく見ればスコアは1-5じゃん。「大差での敗戦」という試合前の懸念が再び頭をもたげる。
が、残り10分からガンバはアマゾンから送られて来る封筒の接着剤のような粘りを見せてくれた。後半40分、左からのクロス(蹴ったの誰だ?播戸?)がペナルティエリア内で止めに行ったネビルの腕に命中。さあ、待ってましたのPKだ。
ファン・デル・サール VS 遠藤
ボールを見ないで最後までGKの動きを見て蹴る遠藤に対し、さすがオランダの優男ファン・デル・サール、動かない。左隅にコロコロではなくスピードをつけて蹴り込む遠藤。ボールに反応した優男の指先をすり抜けて2点目!いやっほー!
後半46分、山口からの「縦パス」をルーカスが右サイドへスルーパス、ハーフウェイからフリーランニングして来た橋本が強烈なダイレクトシュート。これがネットに突き刺さり3点目! 闘志を内に秘めたファン・デル・サールも怒りをあらわにしポストに八つ当たりだ。
「高いラインで設定しながら、最終ラインも怖がらずにプッシュアップしていく。ボールが奪えれば、早い段階でシンプルにダイレクトで、それができなければしっかりボールを動かして両サイドを使う」と語った西野朗監督の戦術は、日本代表がめざすところでもあるだろう。
ガンバがマンUにできて、日本代表がアジアのライバル相手にできないはずがない。この試合は計8ゴール。シュート数41(ガンバ23、マンU18)。いずれも大会最多記録らしい。少なくとも、もっとシュートを打てってことだ。
マンUと戦った印象を「こういうチームとやらないと、自分たちは変わらない」と主将山口は語っている。Jクラブが強くなるためにはACLを制覇し続けることが必要だ。その先にファジアーノの未来が重なっているって思うと、めっちゃ楽しみじゃないか。
今は3点取ったこと以上に、「横パスは逃げ。縦パス主義だ」の最後までガンバらしい攻撃サッカーを貫いたことがたまらなくうれしい。ハラハラ、ドキドキしたけど、楽しくて仕方ないサッカーだった。永島、松波、本並、礒貝、宮本、都築、吉原、新井場、そしてアイツは見てたかなあ。

by kzofigo | 2008-12-18 23:09 | スポーツ旬報























